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Excelマクロで行う業務効率化事例

日常業務でよくある9つのシーンを例に、Excelマクロを使って業務を自動化し、生産性を向上させる具体的な事例をご紹介。「プログラミングは難しそう…」と感じるかもしれませんが、参考にしていただき簡単なことから始めてみるのもいいかと思います。

🧾1. 請求書作成・送付の自動化

毎月の請求書作成は、件数が多くなるほど時間と手間がかかり、入力ミスや送付漏れのリスクも高まります。マクロを使えば、この一連の作業を自動化できます。

具体的な方法

  • 請求書テンプレートの準備: Excelで請求書の雛形を作成します。会社情報やロゴ、請求項目、振込先などをあらかじめ入力しておきます。
  • データシートの作成: 別のシートに、取引先名、住所、担当者、請求金額、品目といった請求に必要な情報を一覧にします。
  • マクロでできること:
    • データ一覧からワンクリックで、全取引先分の請求書を自動作成します。
    • 作成した請求書は、取引先名や請求月を含んだファイル名で自動的にPDF化し、指定フォルダに保存します。
    • さらに、Outlookと連携し、PDFを添付したメールの下書きを自動で作成。宛先、件名、定型文も自動入力されるので、あとは送信ボタンを押すだけです。

期待される効果

  • 作成から送付までの時間を大幅に短縮できます。
  • 転記ミスや送付漏れといったヒューマンエラーを防ぎます。

💸2. 経費精算の効率化

従業員から提出される経費精算書のフォーマットがバラバラで、内容の確認や会計システムへの入力、集計に時間がかかっていませんか?マクロを使えば、このプロセスを簡素化できます。

具体的な方法

  • 申請フォームの統一: 入力規則やドロップダウンリストを活用した経費精算の申請フォームをExcelで作成し、社内で統一します。
  • マクロでできること:
    • 指定フォルダ内にある全従業員の経費精算書から、データを一瞬で一つの集計シートに転記・統合します。
    • 交通費、交際費、雑費など、勘定科目ごとに自動で分類・集計し、仕訳データを作成します。
    • 申請内容の不備(日付や金額の未入力など)を自動でチェックし、エラー箇所をハイライトすることも可能です。

期待される効果

  • 申請内容が標準化され、チェック作業が格段に楽になります。
  • 手作業でのデータ集計が不要になり、経理担当者の負担を大幅に軽減します。

📊3. 月次決算レポートの自動生成

毎月、会計システムからデータを抽出し、それをExcelで加工してレポートを作成する作業は、非常に手間のかかる業務です。マクロは、この定型的なレポート作成を自動化するのに最適です。

具体的な方法

  • データソースの準備: 会計システムから出力した売上や経費のデータ(CSV形式など)を、決まったフォルダに保存します。
  • レポートテンプレートの作成: 損益計算書(PL)や貸借対照表(BS)など、月次決算レポートのフォーマットをExcelで作成しておきます。
  • マクロでできること:
    • 会計システムから出力したCSVデータを、ボタン一つでExcelに自動インポートします。
    • インポートしたデータを元に、ピボットテーブルを自動で更新。売上、原価、経費などを集計し、損益計算書(PL)や部門別実績などのレポートを作成します。
    • 集計結果は整形されたレポートテンプレートに自動で反映され、前月比や予算比を示すグラフも瞬時に更新されます。

期待される効果

  • レポート作成の工数を大幅に削減し、月次決算の早期化を実現します。
  • 手作業によるミスを防ぎ、レポートの正確性を向上させます。

📈4. 営業日報・週報の集計自動化

営業担当者から日々送られてくる日報や週報。その内容を確認し、案件の進捗や数値を手作業で集計するのは骨が折れる作業です。この集計作業もマクロで自動化しましょう。

具体的な方法

  • 報告フォーマットの統一: 営業日報・週報のExcelテンプレートを作成し、入力項目(訪問先、商談内容、受注確度、売上見込みなど)を標準化します。
  • マクロでできること:
    • 各営業担当者が提出した日報・週報ファイルから、訪問件数、商談内容、受注確度などのデータを自動で吸い上げ、一つのデータベースに集約します。
    • 集約したデータを、担当者別、チーム別、製品・サービス別など、様々な切り口で自動集計し、リアルタイムで実績を可視化します。
    • 売上進捗や案件の状況を示すグラフや表を自動で更新し、会議資料の作成の手間を省きます。

期待される効果

  • 営業マネージャーの集計作業がなくなり、迅速な状況把握と次のアクションの検討が可能になります。
  • 営業活動のデータを定量的に分析し、より効果的な戦略立案に活かせます。

🕒5. 勤怠管理・残業時間計算の自動化

タイムカードや勤怠システムから出力されたデータを元に、従業員一人ひとりの労働時間や残業時間を手計算していませんか?この複雑でミスの許されない計算も、マクロで自動化できます。

具体的な方法

  • データ準備: タイムカードの打刻データや、勤怠システムからエクスポートしたCSVデータを用意します。
  • 設定シートの作成: 所定労働時間、休憩時間、深夜労働の時間帯、法定休日の定義などを管理するシートを作成します。
  • マクロでできること:
    • 勤怠システムから出力された打刻データを読み込み、従業員ごとの労働時間を自動で計算。休憩時間を差し引いた実労働時間を算出します。
    • 所定労働時間や会社の規定に基づき、普通残業、深夜残業、休日出勤の時間を分単位で正確に自動計算します。
    • 計算結果は、給与計算ソフトにインポート可能な形式の一覧データとして出力。部署別・個人別の集計レポートも同時に作成します。

期待される効果

  • 複雑な時間計算を自動化し、手計算によるミスをなくします。
  • 給与計算ソフトに取り込むためのデータ作成を効率化します。
  • 労働時間の実態を正確に把握し、適正な労務管理に繋がります。

📦6. 在庫管理・棚卸作業の自動化

入出庫のたびに在庫数を手で更新したり、定期的な棚卸作業に膨大な時間を費やしたりしていませんか?マクロは在庫管理の精度と効率を飛躍的に向上させます。

具体的な方法

  • 在庫管理表の作成: 商品名、現在の在庫数、入庫数、出庫数、安全在庫数(発注点)などを管理するシートを作成します。
  • 入出庫記録シートの作成: 日々の入庫・出庫の履歴を記録するシートを用意します。
  • マクロでできること:
    • 入出庫記録シートに入力するだけで、在庫管理表の在庫数がリアルタイムで自動更新されます。
    • 在庫数が安全在庫数を下回った商品を自動で検出し、セルの色を変えたり、警告メッセージを表示したりします。
    • ボタン一つで、現在の在庫状況に基づいた棚卸表や、発注が必要な商品リストを自動生成します。

期待される効果

  • 在庫の過不足を正確かつリアルタイムに把握でき、発注ミスや機会損失を防ぎます。
  • 手作業による集計が不要になり、面倒な棚卸作業が大幅に楽になります。

📝7. アンケート結果の自動集計

セミナーやイベント後に実施するアンケート。その集計作業に追われ、分析や次のアクションプランを考える時間がなくなっていませんか?

具体的な方法

  • アンケートフォームの統一: 回答項目を標準化したアンケートのExcelファイルを作成します。
  • 集計用フォルダの準備: 回答済みのアンケートファイルを一つのフォルダにまとめます。
  • マクロでできること:
    • 指定したフォルダ内にある複数のアンケートファイルから、回答データを一瞬で読み込み、一つの集計用シートに統合します。
    • 設問ごとに回答(選択式、自由記述)を自動で集計し、回答者属性(年代、性別など)とのクロス集計も行います。
    • 集計結果から、回答の割合を示す円グラフや、満足度を示す棒グラフなどを自動で作成します。

期待される効果

  • 大量のアンケート結果の集計にかかる時間を劇的に短縮し、手作業による転記ミスや集計ミスを根絶します。
  • 迅速な分析が可能になり、顧客満足度の向上やサービス改善に素早くつなげられます。

8. 大量データの整形・クレンジング

システムから出力したデータは、そのままでは使えないことがよくあります。全角・半角の混在や不要なスペースなど、手作業での修正は大変な苦痛です。

具体的な方法

  • 処理対象データの準備: 他のシステムからエクスポートした、形式が不揃いなデータをExcelシートに用意します。
  • マクロでできること:
    • 全角・半角の混在、不要なスペースや改行、機種依存文字などを、ルールに従って一括で修正・統一します。
    • 「姓」と「名」が同じセルに入力されているデータを、別々のセルに自動で分割します。
    • 重複している行を自動で検索し、削除したり、色を付けて知らせたりします。

期待される効果

  • 手作業では膨大な時間と集中力が必要なデータの前処理を自動化し、すぐに分析や加工作業に取り掛かれます。
  • データの品質が向上し、分析結果の信頼性が高まります。

🌐9. Webサイトからの定期的な情報収集

競合の価格調査や市場の動向チェックのために、毎日同じWebサイトを巡回していませんか?その作業、マクロに任せることができます。

具体的な方法

  • 情報収集対象サイトの決定: 定期的に情報を取得したいWebページのURLをリストアップします。
  • マクロでできること:
    • 指定したWebサイトに自動でアクセスし、特定のテーブル(表)やリストから情報を抽出してExcelシートに転記します。(例:競合ECサイトの商品価格、自社に関連するニュースの見出し、特定の株価情報など)
    • スケジュールを設定すれば、毎日決まった時間に自動で情報収集を実行させることも可能です。

期待される効果

  • 手作業でのコピー&ペーストによる情報収集の手間と時間を完全に排除します。
  • 市場の動向や競合の状況を効率的に定点観測し、迅速な意思決定に役立てることができます。

まずはExcelで自動化をしてみて、
さらなる効率化を目指すならAccessでのシステム化も

Excelマクロは、手軽に始められる非常に強力な業務効率化ツールです。まずは業務効率化の手がかりとして始めてみて問題点や現状を把握してみるのがいいかと思います。ただし、扱うデータ量が膨大になったり、複数人で同時にファイルを更新したりする必要が出た場合は、動作が重くなったり、ファイルが破損したりするリスクも高まります。

より本格的で、安定した業務システムを構築する必要がある場合には、同じMicrosoft Office製品である「**Access**」でシステム化することもおすすめです。Accessはデータベース管理ソフトであり、大量のデータを安定的に扱えるほか、入力フォームやレポート機能をより柔軟に作成できるため、より使いやすいシステムを構築できますのでご検討ください。

また、「Excelで自動化したいけど方法がわからない」「Excelでの自動化に限界を感じている」「Accessで本格的なシステムを構築したい」など、業務効率化でお困りのことがございましたら、お気軽にご連絡ください。

まずは無料相談から。お気軽にお問い合わせください。