Accessシステムを外出先や自宅で利用する方法
会社のAccessで構築されたシステムを、外出先や自宅から安全かつ効率的に利用するには、いくつかの方法があります。それぞれにメリット・デメリットがあるため、利用環境、目的、セキュリティ要件に合わせて最適な方法を選ぶことが重要です。
1. リモートデスクトップ接続
外出先や自宅のパソコンから、会社にあるパソコンにリモートで接続し、会社のパソコン上でAccessを操作する方法です。
メリット
- 会社のパソコン上で全ての作業が完結するため、動作が安定しています。
- Accessのデータファイルが社外に持ち出されないため、セキュリティが高いです。
- 設定が比較的簡単です。
デメリット
- 会社のパソコンの電源を常にオンにしておく必要があります。
- 通信環境によっては、画面の描画が遅れたり、操作に遅延が発生したりすることがあります。
向いているケース
- セキュリティを最優先したい場合。
- 会社のパソコンでしか利用できない他のソフトウェアやデータも併用する場合。
2. VPN接続
VPN(Virtual Private Network)を使い、利用するパソコンから会社のネットワークに仮想的に接続する方法です。会社のファイルサーバーなどにあるAccessファイルに直接アクセスします。
メリット
- 使い慣れた自分のパソコン環境で、直接Accessを操作できます。
- 社内にいるのと同じような感覚でファイルにアクセスできます。
デメリット
- 通信量が多くなり、ネットワークの速度によっては動作が非常に遅くなることがあります(特に大容量のデータベースの場合)。
- 複数のユーザーが同時に同じファイルを開くと、ファイルが破損するリスクがあります。
向いているケース
- 比較的小規模なデータベースで、同時利用者が少ない場合。
- 高速で安定したインターネット回線が確保できる場合。
3. クラウドストレージの利用
OneDriveやDropbox、Google DriveといったクラウドストレージにAccessファイルを保存し、共有する方法です。
メリット
- 場所を選ばずにファイルにアクセスでき、共有も簡単です。
- インターネット環境さえあれば、どこからでも利用できます。
デメリット
- 複数人での同時編集には対応していません。同時に編集するとファイルが競合し、データが失われる危険性が非常に高いです。
- ファイルの同期に時間がかかることがあります。
向いているケース
- 一人でしか利用しない場合、または編集する時間を明確に分けて利用できる場合。
- バックアップやファイルの受け渡しが主な目的の場合。
4. データベースサーバーの利用 (SQL Serverなど)
Accessを「フロントエンド(入力や表示の画面)」として利用し、データそのものは「バックエンド」として社内サーバーやクラウド上にあるSQL Serverなどの本格的なデータベースで管理する方法です。
メリット
- 複数人での同時アクセスに非常に強く、動作も高速で安定しています。
- 大量のデータを扱うことができ、システムの拡張性も高いです。
- 高度なセキュリティやデータ保全機能を利用できます。
デメリット
- 専門的な知識が必要で、システムの構築や管理の難易度が高いです。
- サーバーの構築やライセンスにコストがかかります。
向いているケース
- 大規模な基幹システムとしてAccessを利用している場合。
- システムのパフォーマンスと安定性を最重視する場合。
まとめ
各方法の比較
方法 | 手軽さ | パフォーマンス | 同時利用 | セキュリティ |
---|---|---|---|---|
リモートデスクトップ | ◎ | △ | ○ | ◎ |
VPN接続 | ○ | △ | △ | ○ |
クラウドストレージ | ◎ | ○ | × | ○ |
データベースサーバー | × | ◎ | ◎ | ◎ |
おすすめの方法
セキュリティと手軽さを重視するなら「リモートデスクトップ」
安全に社内のデータを使いたい場合に最適です。データが外部に出ないため、情報漏洩のリスクを最小限に抑えられます。
複数人での利用とパフォーマンスを重視するなら「データベースサーバー」
チームで同時にデータを更新する必要がある場合や、将来的な拡張性を見据える場合は、この方法が最も堅牢で安定的です。
Accessシステムの利用状況やセキュリティを踏まえて、最適な方法を検討してください。
弊社でもサポートやシステムの変更作業を行っておりますので、お困りごとありましたらお気軽にお問合せください。