パソコンの管理システム

Accessランタイムのインストール方法と
よくある質問

Microsoft Access本体がインストールされていないPCでも、Accessのデータベースを実行可能にする無料の「ランタイム」。
そのインストール手順と、エラー発生時の対処法を解説します。

Accessランタイムのインストール方法

Step 1: インストールするランタイムのバージョンを確認する

まず、お使いのPCにインストールされているMicrosoft Office(WordやExcel)のバージョンとビット数(32bitか64bit)を確認します。Accessランタイムは、基本的にこのOfficeの環境に合わせる必要があります。

■ Officeのバージョンとビット数の確認方法

  1. WordやExcelなどのOfficeアプリケーションを開きます。
  2. 「ファイル」タブ → 「アカウント」を選択します。
  3. 「(製品名)のバージョン情報」ボタンをクリックすると、バージョンとビット数が表示されます。

■ インストールするランタイムの選択

  • Microsoft 365, Office 2021, 2019 の場合: → Microsoft 365 Access Runtime
  • Office 2016 の場合:→ Microsoft Access 2016 Runtime
  • Officeが未インストールの場合: → アプリケーションの開発者に推奨バージョンを確認するか、最新のMicrosoft 365 Access Runtimeを選択します。

Step 2: Accessランタイムをダウンロードする

Microsoftの公式サイトから、対応するバージョンのランタイムをダウンロードします。

  1. ダウンロードページにアクセスします。
  2. 言語とビット数を選択します。
    言語で「日本語」を選び、Step 1で確認したOfficeのビット数と同じファイル(64bit版ならx64, 32bit版ならx86)をダウンロードします。

Step 3: Accessランタイムをインストールする

ダウンロードしたインストーラーを実行して、インストールを開始します。

  1. Word、Excel、Outlookなど、起動しているOfficeアプリケーションをすべて終了します。
  2. ダウンロードした .exe ファイルをダブルクリックして実行します。
  3. 「このアプリがデバイスに変更を加えることを許可しますか?」と表示されたら、「はい」をクリックします。
  4. 画面の指示に従い、インストールを完了させます。

よくある質問(FAQ)

Q. Accessランタイムは無料ですか?

はい、無料です。Microsoft Accessのライセンスをお持ちでない方でも、Microsoftの公式サイトから完全に無料でダウンロードして利用できます。

Q. Accessランタイムと製品版のAccessとの違いは何ですか?

最も大きな違いは、ランタイムが「実行専用」である点です。データの入力やレポート印刷はできますが、テーブル設計の変更やフォーム・レポートのデザイン編集、VBAの作成・編集などはできません。

Q. インストール中にエラーが出ます。

Officeアプリケーションが起動していないか、既に製品版のAccessがインストールされていないか、Officeとランタイムのビット数・バージョンが異なっていないか、などを確認してください。

Q. 「データベースの形式が認識できません」「マクロがブロックされました」等のエラーで起動しません。

ファイルを開く際にエラーが出る場合、以下の点を確認してください。

  • セキュリティによるブロックを解除する
    インターネットからダウンロードしたファイルはPC保護のため実行がブロックされることがあります。Accessファイルを右クリックして「プロパティ」を開き、「全般」タブ下部の「ブロックの解除」にチェックを入れてください。
  • データベースのバージョンを確認する
    新しいAccessで作成されたファイルを古いランタイムで開こうとするとエラーになります。推奨バージョンを確認してください。
  • ファイルが破損していないか確認する
    ネットワーク経由でのコピー中にファイルが破損することも考えられます。元のファイルから再度コピーし直してみてください。

Q. 毎回セキュリティの警告が表示されるのをやめたいです。(信頼できる場所の設定)

マクロを含むデータベースを毎回スムーズに開くには、そのファイルが保存されているフォルダを「信頼できる場所」として登録します。ランタイム版には設定画面がないため、レジストリを直接編集する必要があります。

【重要】レジストリの編集に関する警告
レジストリの編集を誤ると、システムに深刻な問題が発生する可能性があります。操作は自己責任で、内容を十分に理解した上で行ってください。

■ 「信頼できる場所」の追加手順(上級者向け)

  1. Windowsキー + Rで「ファイル名を指定して実行」を開き、regeditと入力してレジストリエディターを起動します。
  2. 左側のツリーで下記のパスに移動します。
    HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\Office\16.0\Access\Security\Trusted Locations
  3. Trusted Locationsを右クリックし、「新規」→「キー」で、Location1など既存のキーと重複しない名前のキーを作成します。
  4. 作成したキーを選択し、右側で「新規」→「文字列値」を作成し、名前をPathにします。Pathをダブルクリックし、値に信頼したいフォルダのパス(例: C:\AccessApps\)を入力します。
  5. (任意) サブフォルダも許可する場合は、同様に「新規」→「DWORD (32ビット) 値」でAllowSubfoldersを作成し、値を1にします。

設定後、PCを再起動するかサインインし直すと反映されます。