
【AccessとExcelの連携】
Power Queryの使い方
「基幹データはAccessにあるが、分析やレポート作成は使い慣れたExcelでしたい」「毎回Accessからデータを手動でエクスポートして、Excelに貼り付ける作業が面倒…」このような悩みをExcelの標準機能「Power Query」で解決する方法を解説します。
Access連携でPower Queryでできる事とメリット
- リアルタイムなデータ更新: Accessのデータが更新されたら、Excel側は「更新」ボタン一つで瞬時に最新の状態を反映できます。
- Accessの専門知識は不要: 一度接続設定をすれば、データ利用者はAccessを開く必要すらありません。
- データの整形・加工を自動化: Accessから取得したデータを、分析しやすいように加工する手順を自動化できます。
- 他のデータとの組み合わせ: Accessのデータと、ExcelファイルやCSVファイルといった他のデータを簡単に結合し、より深い分析を行うことができます。
AccessデータをExcelに取り込む手順
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①ExcelからAccessデータベースに接続する
Excelの「データ」タブ → 「データの取得」→「データベースから」→「Microsoft Access データベースから」を選択し、対象ファイルを選びます。 -
②取り込むデータを選択する
「ナビゲーター」ウィンドウで取り込みたいテーブルまたはクエリを選択し、「データの変換」をクリックします。 -
③Power Queryエディターでデータを整形する
不要な列の削除、データの絞り込み(フィルター)、データ型の確認・変更などを行います。 -
④整形したデータをExcelに読み込む
Power Queryエディターの「閉じて読み込む」ボタンをクリックすると、新しいExcelシートにデータが出力されます。
一度この設定を完了させれば、以降はExcelの「データ」タブ → 「すべて更新」を押すだけで、すべての変更が反映されます。
【活用事例】
営業部門の週次売上レポート作成
【課題】
営業担当者がAccessに日々入力するデータを、マネージャーが週次でExcelに手作業で集計し直している。データの抽出、コピー&ペースト、集計に毎週末多くの時間を費やしており、ミスも発生しやすい状況でした。
【Power Queryによる解決策】
- Accessの「商談テーブル」と「顧客マスタテーブル」に接続。
- Power Query上で2つのテーブルを「顧客ID」キーでマージ(結合)し、商談情報に顧客名を付与。
- 週次レポートに必要な列だけを残し、不要な列は削除。
- 整形したデータをExcelシートに出力し、ピボットテーブルとグラフを作成。
【得られた効果】
毎週月曜の朝にExcelを開き「すべて更新」をクリックするだけで、最新の週次レポートが1分以内に自動で完成するようになりました。手作業がゼロになり、マネージャーはレポート作成ではなく、データ分析や営業戦略の立案に時間を使えるようになりました。
データ加工作業も自動化
Power Queryの真価は、単なるデータ取得だけではありません。取得した後の面倒なデータ加工作業も自動化できます。
【計算列の追加】
元のAccessテーブルに「売上」列がなくても、Power Queryエディターで「単価」列と「数量」列を掛け合わせ、新しい「売上」列を動的に作成できます。計算式も一度設定すれば、更新のたびに自動で再計算されます。
【データの変形】
月ごとに列が分かれている横長のデータ(クロス集計表)を、分析に適した縦長の形式(1列に月、もう1列に売上)に自動で変換できます。これにより、ピボットテーブルでの集計やグラフ作成が格段に容易になります。
まとめ
ExcelのPower Queryは、AccessとExcelのデータ連携における手作業をなくすための、非常に強力な解決策です。 これまで当たり前だと思っていた「AccessからデータをエクスポートしてExcelに貼り付ける」という定型業務を、「更新ボタンのワンクリック」に置き換えることができます。
Accessから、データを加工して出力しても同じように作成できますが、システムを修正しなくても手軽に作成できる点は便利かと思います。 Accessシステムのデータを活用する方法の一つとして検討してみてください。